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デジタルサイネージ業界の現状

近年多様化し、街中にあふれているデジタルサイネージです。今後も我々の日常に溶け込んでいくでしょう。今回は、そんなデジタルサイネージ業界の現状を見ていきましょう。

昨年リリースされた「デジタルサイネージ市場総調査2017」(富士キメラ総研)をもとに、デジサイ君が、分かりやすくレポート、解説してくれます。新たなビジネスチャンスや手がかりが見つかるかもしれませんね。

 

国内デジタルサイネージ市場をマクロで見ると。。。

2015年(実績)からのデータになりますが、2021年までの予測がされています。業界自体、右肩上がりの市場になっています。平均成長率は約17%で、17年から毎年25%アップのペースで推移しています。

「(株)富士キメラ総研デジタルサイネージ市場総調査2017」より

この統計の「市場の構成分類」としては、(1)システム販売・構築、(2)コンテンツ制作・配信サービス、そして(3)デジタルサイネージを活用した広告です。これらの市場をすべて合わせた数字が「デジタルサイネージ市場」となります。

 

 

サイネージを活用した広告市場が全体を牽引

統計データの詳細をみると、この右肩上がりの増加の大きな要因は、(3)の「デジタルサイネージを活用した広告市場」の伸びです。サイネージ機器が、メディアとして市場に浸透することにより、広告市場の増加が加速するという図式ですね。
屋外ビジョンなどのビルボード、車両・駅ホーム・ターミナルなどの交通広告、そして屋内店舗・ストアーなどにおいて、ますます広告ビジネスが盛んになるでしょう。

デジタルサイネージ需要の拡大

一方、ハード(システム)機器はどうでしょう。システム販売・構築市場は、2016年は653億円で、これは前年比8.8%の増加でした。主な増加要因としては、中小チェーンでサイネージ需要の拡大や屋外・屋内のフルカラーLEDディスプレイの設置増加などのようです。
また、東京五輪に向けての交通・公共施設などの社会インフラへの新規導入で、19年までは順調に増加しますが、それ以降は、伸びはほぼなく、フラットといえるでしょう。

コンテンツ制作・配信のサービス単価が鍵

ソフト・コンテンツも見てみましょう。コンテンツ制作・配信サービス市場にになります。2016年は242億円(前年比9%増)でした。この市場は制作、配信、運営、管理に分類されています。
特にサービス単価がマーケットによって、特徴があります。交通機関や金融機関マーケットは専門性(セキュリティー)や更新頻度が多いため、その単価は高い傾向にあります。
一方、店舗やショップなどの中小チェーンでは、クラウドの利用やコンテンツの自前作成などでサービス単価自体は低い傾向にあります。また、病院やクリニックなどはサービスの外部委託が多く、その単価も高いようです。

 

 

 

 

 

 

では、次に分野別のハード機器市場やコンテンツ市場の状況を見てみましょう。

 

分野別ディスプレイ台数の動向

2016年のディスプレイ台数の実績は以下通りです。

「(株)富士キメラ総研デジタルサイネージ市場総調査2017」より

小売店舗でのデジタルサイネージの活用促進の裏に、機器の低価格化あり

台数でみると、やはり小売店舗・商業施設でサイネージ導入が他の分野より進んでいることが一目瞭然ですね。ショッピングモールの大型化や都市・地方への点在化がここ数年で加速し、ありテナント店舗も積極的にデジタルサイネージを導入し、活用しています。
また、小規模店舗においても導入が進んだと考えられます。ハード機器の低価格化や周辺機器などの使用環境が、かなり整った理由からでしょう。ずばり「新規導入」ですね。

公共インフラでのデジタルサイネージの導入加速

交通機関の台数の多さも目に留まります。鉄道、空港、そして道路などでの近年のデジタルサイネージ化の加速はご想像の通りです。いわゆる「公共インフラ」です。そのような機関で必要とされるリアルタイムでの情報発信は、まさにデジタルサイネージ向きですね。
20年の東京五輪までは首都圏を中心にデジタル化は整備されていくでしょう。また、それ以降も着実に全国的にデジタルサイネージは浸透していくでしょう。

デジタルサイネージがオフィス環境にも浸透

「一般企業」分野に関して、分析してみましょう。オフィスビルのロビーやエントランスでの案内掲示といった「案内・情報発信」サイネージをイメージしますね。また、企業によっては、たとえばフローごとにディスプレイで情報共有したり、発信をしているケースもあります。各階のエレベーター・ホールでのディスプレイ・サイネージも増えてきました。

分野別コンテンツ市場の状況

コンテンツ制作・配信サービス市場を分野別に見ていきましょう。

「(株)富士キメラ総研デジタルサイネージ市場総調査2017」より

金融機関分野がダントツに大きいですね。コンテンツ市場全体の約37%を占めます。金融機関は性格上、サービスおよび管理において、セキュリティーを確保する必要があります。そして専門性の高い会社への外部委託を行います。

サービス単価も高くなり、金額が結果的に大きくなります。また、銀行の各店舗に同一のコンテンツと配信サービスをいっせいに展開します。店舗間の「情報の均一化」が重要な要因です。

交通機関でも単価の高い広告が多い?

交通機関分野の大きさも注目ですね。50億円超あります。コンテンツ市場全体の20%程を占めます。先ほどのディスプレイ台数の多さから見ても、納得です。
このような機関では、案内表示と同時に、広告の多さが目に留まります。なかには有名人を起用したクオリティの高いコンテンツも多数あるのが特徴です。結果的に制作・サービス単価が高くなり、この分野の金額を押し仕上げているのでしょう。

低価格コンテンツを活用している小売店舗

さて、ディスプレイ台数で一番に多かった小売店舗・商業施設は、それほどこの市場では大きくありません。中小の店舗ではコンテンツを安く制作する傾向があり、また運営も店舗のPCもしくはクラウドなどを活用しているのが特徴です。結果的にディスプレイ1台当たりのコンテンツ単価が安くなります。

ポスト・東京オリンピックのデジタルサイネージ動向

まずは近いところで21年の分野別ディスプレイ台数を見てみましょう。富士キメラ総研の予想では以下の通りです。

「(株)富士キメラ総研デジタルサイネージ市場総調査2017」より

さまざまな店舗でのデジタルサイネージの普及

先ほどの16年のグラフと比較すると、分野間の大きさ関係は同じですが、縦軸の台数スケールが大きくなっています。小売店舗での台数は16年から約1.8倍に増えています。非常に順調な伸びですね。今後も引き続き、さまざまな店舗でのデジタルサイネージ機器の増加が期待できます。

外食店舗分野の伸びも見逃せないですね。外食産業において、人手不足対策は喫緊の課題です。店舗内での案内や注文などのデジタル化は、一つの対応策ではないでしょうか。ディプレイ案内表示の導入を進める可能性は十分にあるでしょう。

サイネージ機器の低価格化が進みます

(株)富士キメラ総研デジタルサイネージ市場総調査2017」より

上記の国内デジタルサイネージ市場予測では、約3,700億円です。初めに解説しましたように、やはり「デジタルサイネージを活用した広告市場」が、全体の市場を押し上げています。金額ベースで見ると、「システム販売・構築」と「コンテンツ制作・配信サービス」の両市場は見劣りしますね。

前者は、サイネージ端末機器の単価が起因しています。出荷台数はかなりの伸びが期待できる反面、低コスト化が顕著です。しかし、導入する側からみると「嬉しい」の一言ですね。

後者のコンテンツは、クラウドタイプの配信サービスが充実してくるでしょう。それによって、低コスト運用が可能になります。結果的に、上記のようなコンテンツ制作・配信サービスの市場規模に落ち着くのでしょう。

インバウンド需要の影響があります

また、引き続き期待されているインバウンド需要も見逃せない動向です。今後、サイネージ機器やサービスにおいて、さらなる前進が予想されます。
たとえば、多言語対応のサイネージ機器の普及が進むでしょう。案内表示や情報提供の多言語対応は当然ですが、広告も積極的に外国人向けの発信もあるでしょう。

新技術との融合、そして「スマートサイネージ」社会へ

昨今のAIの盛り上がりですが、今回は「第三次ブーム」と言われています。しかし、今回は今までとは異なり、「ブーム」に終わらず、より多くの製品やアプリケーションに浸透、普及しそうです。そして、デジタルサイネージにもこのAI化は今後、数年でかなり加速しそうです。

もう一つ注目したいのは、近年のセンサー技術との融合です。画像認識や音声認識の精度が向上したことにより、いわゆる「顔認証」のような人物判定ができるアプリケーションも登場してきました。

進化を続けるデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、そのような技術の恩恵を受け、高付加価値な機器やサービスの登場が期待できます。

たとえば、案内表示の前に立った貴方に、最適な情報を表示してくれるインタラクティブ・タイプのサイネージ。または、あるエリアの通行人や待っている人々の性別や年齢層などのデモグラフィック情報を即座に分析し、効果的な広告を発信するようなシステムも到来するでしょう。

コンテンツの配信も次世代移動通信システムの「5G」を存分に活用されるでしょう。

よりリアルタイムで、充実した情報が行き交うことになるでしょう。まさに「スマートサイネージ社会」の足音が、そこまで聞こえていますね。

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